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第0408話  

綿は笑った。「あなたは草薬の研究者なんでしょう?それなら、価格についてもっと詳しいはずよ。どうぞ、遠慮なく値段を言ってください」

 隆志は明らかに値段を提示したくない様子だった。

 綿は彼が低く言い過ぎて損をしたくないのだと思った。

 綿は手を上げて「6」という数字を示した。

「六百万ですか?分かりました」隆志は答えた。

 綿:「……」

 綿ははっきりと咳払いをした。六百万で承諾したって?あいつ相場わかってんの?

 彼女は驚いた表情で隆志を見つめた。六百万?!

 隆志も、彼がその額を受け入れた後、綿が明らかに驚いていることに気づいた。

 もしかして、この値段は少なすぎたのか?

 ひょっとして、彼女が考えているのは六千万だったのか?

「えっと、冗談ですよ!」隆志は急いで手を振り、「この柏花草はとても貴重ですから、六百万なんてありえませんよ」

「六千万でいいです」隆志は、自分の言葉を補うように言った。

 綿はまだ目を細めていた。

 まったく、この少年。

 もしかして、これは盗まれた偽物の柏花草なんじゃないの?

「開けて、中を確認するわ」綿は率直に言った。

 彼はとても積極的に物を取り出し、「本物ですよ!偽物を売ったら罰が当たります!」と言った。

 綿は微笑んだ。

 綿はしっかりと確認し、確かに問題がないことを確認した。

 彼女が見た柏花草と同じもので、海外で見たものとまったく同じだった。

「六千万ね」綿は最終的に彼との価格を確定した。

 彼はうなずき、「はい、六千万でお持ちください」

 綿は眉を上げ、さっそく小切手を切って、この少年に差し出した。

 少年はそれを受け取り、すぐにうなずいた。「取引がうまくいって良かったです、綿さん!」

「次回から、こんなに神秘的なやり方はやめてね」綿は唇をとがらせて言った。まるで詐欺師みたいだ。

 隆志は照れ笑いを浮かべ、どこか大学生のような純粋で愚直な雰囲気を持っていた。

 綿は柏花草を持って、その場を早々に後にした。

 隆志は下の階に停まっている車が去るのを見ていた。

 すぐに、個室のドアが開き、隆志は入ってきた輝明を見た。

「おじさん」

 輝明は隆志を見て、目には嫌悪感が浮かんでいた。「六百万だって?本当にお前ってやつは」

 隆志は困った顔をした。「おじさん、僕は相場を
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